2月後半の銅相場の予想について
銅鉱石生産は、チリが世界の30%のシェアをもち、次いでペルーの9.0%、中国の8.0%と続いております。
日本でも以前は、銅を産出しておりましたが、品質低下や足尾銅山鉱毒事件を例に見る公害問題から銅鉱山は姿を消しました。ちなみに銅の消費国は、中国が圧倒的で世界の半数を占めております。銅相場は、これらの産出国の銅鉱山の状況に応じて大きく変動します。例えば、チリの銅鉱山の労働者によるストライキや労働災害・事故などの規模に応じて、銅の産出が減ると考える投資家が、いれば銅相場が上がることもあります。要するに必要とされる銅にその生産が追い付いていかないと考える人が増えれば買いに走りますので、銅相場は上がりやすくなるということです。
ところで、最近では新型コロナウイルスが中国武漢で発生に伴って、売り注文で株価は下落傾向でありました。世界の株価と銅相場は、だいたい連動しているものなのですが、今回のコロナウイルスの大騒動による株価への影響と銅相場は、似て非なるものと考えることができます。
前段でも触れた通り、銅鉱石の生産は中国が世界第3位の8%を占めており、この銅生産に、この度のコロナウイルス問題が影響するであろうとする投資家が増えてきたのです。つまり、中国の銅生産が滞ることは、必要とされる銅の供給に大きな影響を与えますので、銅相場は上げの要因となり得るのです。
銅の相場(LME)は、今月に入ってから下落傾向でしたが、昨日から急伸しそれを堅調に保っています。さらに為替もこれだけの経済ショックがおきながらも円安傾向であることも銅の値段をキープしている要因となっています。
前回のブログ記事では、今月は建値63万円~65万円台を行ったり来たりの推移となると予想でしたが、もしかしたら、さらに上げに転じる可能性も出てきましたので、もう少し様子見が必要と思います。