厳しすぎる日本のPCB濃度基準

PCB汚染物に該当するか否かには、ある一定の基準が設けられており、日本においては、0.5mg/kg(0.5ppm)となっております。この基準と比べ、海外ではかなり緩い基準値を設けています。具体的には、オランダ1ppm、アメリカ2ppm、ドイツ10ppm、フランス50ppm などとなっており、日本が世界で一番厳しいPCB濃度基準を設定していることになるのです。しかし、なぜPCBの濃度基準が0.5mg/kg(0.5ppm)なのでしょうか?また、なぜ、ここまで日本のPCB濃度基準が厳しいのでしょう?本記事ではその理由を私の推測ながら述べさせていこうと思います。

PCBの濃度基準の根拠とは?

実際カネミ油症事件におけるダーク油から検出されたPCB濃度は、2000ppm~3000ppmとされ、摂取した被害者は、生態系の異常や塩素ざ瘡(ざそう)など様々な健康被害を起こしました。これに比べると0.5ppmという値は、健康被害を起こすに至らない基準であるように思います。

しかし、PCBの毒性が騒がれたのは、カネミ油症事件はあくまで発端に過ぎず、本当の問題は、1970年代にPCB製造工場や使用工場から垂れ流しにされたPCBによる海洋汚染から始まる魚類汚染だったのです。PCBに汚染された魚類が市中に出回り(PCB濃度3ppmを超える魚も当時各地で発見されている)、母乳汚染が問題になりました。母乳汚染が問題になっても、カネミ油症事件のような重篤の被害こそありませんでしたが、その範囲が日本全国におよび、マスコミが騒ぎ立てることで漁民の経済的損失は計り知れないものとなったのです。

そこで政府は、一日に食べても良い魚の量と、汚染された魚のPCB基準を設定しようとしたのです。魚類のPCBの安全摂取量から割り出せば、安全基準は明確でした。その数値こそが、0.5ppm なのです。(化学物質と人間 磯野直秀著より引用)おそらく0.5ppmというPCBの基準設定は、食べても良い魚類の安全基準から紐づけされているのかもしれません。ところで、当時この基準を設定することはできませんでした。なぜなら、魚にも内海魚と遠洋魚が存在していて、当然内海魚の方がPCBに汚染されている濃度も高く一律に0.5ppmの基準を設定することで、内海魚を取っている漁民に経済的損失を与える可能性があったからです。そこで、政府は、魚の種類ごとに過食することの注意を呼び掛けたり、内臓は汚染源なので食べることを控えさせるなどの対策をおこないました。そのようなことを行った甲斐もあって、PCB汚染の騒ぎは、沈静化されていきました。

界でも稀な、PCB濃度基準0.5mg/kg(0.5ppm)

令和のこの時代でもPCBを濃縮させて泳いでいる魚が至る所に、生息しているかもしれません。日本は、世界でもトップクラスのPCBやその他化学物質に汚染された国であることは間違いありません。アメリカのモンサント社と鐘淵化学とのPCBの業務提携から端を発し、各地でPCBの使用が活発になりましたが、当時のPCBの毒性は誰もが分からず、河川や海、湖にそれらを垂れ流しにしてきました。その量は、アメリカで製造された3分の1の量であったと言われております。(複合汚染 有吉佐和子著引用)アメリカの国土の広さを考えれば比率でいうと想像を絶する量が日本を汚染させたことになります。1960年代は、日本の高度経済成長期で、PCBなどの化学物質の恩恵もあって、世界第二位の経済大国となりました。我が国は、PCBを世界で最も必要とした国であり、つまるところ、日本は経済大国を手に入れる一方で、汚染大国になってしまったのです。

分離型のブッシングも全てPCB濃度を分析しなければならない。

近年では、先進国が環境問題を率先して取り組んでいかねばならないことや、汚染国家の汚名を挽回するためにも、日本は自ら厳しい基準を選んだと考えることができます。また、化学物質を正しく理解し、正しく使用していくことの大切さを世界に向けて発信できる良いチャンスだったのではないでしょうか?

参考文献:化学物質と人間 磯野直秀著  複合汚染 有吉佐和子著

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