ポリ「塩化」ビフェニル(PCB)の歴史を紐解く シリーズ3

当時、欧米における魚のPCB濃度は、概ね1ppmを下回っているのに対して、日本ではその10倍以上の値が、各地で計測され、範囲も、日本全国津々浦々拡大しました。日本という国は、戦後復興から高度経済成長を経て世界第二位の経済大国にのし上がった副作用として、PCBを中心とした化学物質に汚染された国となってしまいました。

当時のPCBの製造は、鐘淵化学と三菱モンサント社が日本のPCB製造のシェアーを独占していましたが、製造されたPCBの量は約54000tと言われております。このうち約35000tが変圧器、コンデンサなどの絶縁油に使用され、熱媒体用では、約8500t、ノンカーボン紙は、約5500tとなっております。

問題は、これらの回収と無害化です。

油症事件を経てPCBの有害性が証明された1970年代から鐘淵化学と三菱モンサント社は、自主回収を行い始めます。また、PCB含有製品を製造していた各社でも、PCBの無害化処理の研究を開始させます。この時点で回収された量は、約10000t、稼働中の電力機器PCBの量が約30000tと推計され、残りの14000tの向かう先が気になるところです。

熱媒体PCBとPCB含有ノンカーボン紙の回収は困難

PCBを扱う際は、厳重な漏洩対策が必要

熱媒体PCBとは、カネミ油症事件の渦中であるカネミ倉庫も使用していました。(商品名:カネクロール400)食品油を作るときの脱臭装置にこれを使用しておりましたが、具体的な使い方としては、カネクロール400をこの脱臭装置に付属された金属製の加熱パイプに流し、このパイプと直接、食品油をあてて脱臭していました。この加熱パイプからカネクロール400が垂れ流しになって食品油に混入したのです。いくらPCBが金属の腐食を防ぐと言っても高温と冷却を繰り返せば、パイプの腐食は進行していき腐食は起こりやすくなりますし、バルブやそのつなぎ目からも腐食は起きやすく、PCBが漏洩しやすくなります。要するに熱媒体でPCBを使用するには、点検と漏洩対策が必要不可欠であり、カネミ倉庫はこれを怠っていたということになります。しかし、カネミ倉庫のみならずPCBを熱媒体として使用している工場は、当時多く存在しており、PCBが垂れ流し状態であったことは、熱媒体用のPCB全体の2割程度が未回収であるといった状況からうかがい知ることができます。また、PCB含有のノンカーボン紙は、使い捨てになりやすい側面があったのだろうと思うのですが、おそらくその影響からほぼ行先が分からない状態に陥りました。水面下では、PCB含有製品を製造する工場も存在しないところにPCBの高濃度の値が出るなど、不法投棄の可能性をうかがわせる問題も実は存在していました。これらを総合的に考えると、PCBは、約10000t~15000tが環境に放出されたと言われております。

PCBの回収・処分が本格的に動く

環境に放出されたPCBを回収する労力より、残るは変圧器、コンデンサに使用されたPCBの回収と無害化処理がもっとも再現性の高い取り組みであることは言うまでもありません。しかし、1970年代では、各変電所や配電所、電柱、看板などに付属するネオントランス、各家庭で使用する蛍光灯に付属する安定器の実態調査が脆弱であったため、ここでも随分とPCBをロスすることになります。

しかし政府も何もしていなかったわけではありません。

1972年 PCBの製造中止、回収指示

1973年 化審法の制定、PCB製造・輸入・使用の原則禁止

1976年 PCB関係廃棄物の処理基準設定

1984年 通産省が「PCB使用電気機器の取り扱いについて」通達

1985年 環境庁が鐘淵化学工業株式会社高砂事業所の熱分解処理装置を用いて廃PCBを試験焼却

1992年 PCB汚染物を特別管理産業廃棄物に指定

などなど

1970年~1990年代にかけて様々政策を打ち出し、PCBの根絶を目指してまいりました。

そして2001年に大きな転機が訪れます。

日本は、世界会議の場で、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)を採択するのです。このストックホルム条約が、日本のPCB環境汚染を本格的に食い止めるきっかけになっていきますが、詳しくは次回ブログにて解説させていただきます。

参考文献:沈黙の春(レイチェルカーソン著):化学物質と人間(磯野直秀著):複合汚染(有吉佐和子著)

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主な許可・資格

〇建設業許可(解体工事業)新潟県知事許可(般-1)第41442号

〇新潟県産業廃棄物収集運搬業 許可番号 01508055229号

〇新潟市産業廃棄物収集運搬業(積替え保管) 許可番号 05910055229号

〇新潟市産業廃棄物処分業 許可番号 05920055229号

〇新潟県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 01558055229号

〇古物営業許可取得 新潟県公安委員会許可 第461070001021号

〇山形県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 0659055229号

〇群馬県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 01050055229号

〇富山県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 01659055229号

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〇長野県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 2059055229号

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