ポリ「塩化」ビフェニル(PCB)の歴史を紐解く シリーズ2

第二次世界大戦の勃発から終戦後までの間に、PCBを含む化学物質は、世界で大量に製造、使用されることになりました。そしていよいよ1954年に日本でも鐘淵化学が絶縁油用と熱媒体用としてPCBの製造を開始しました。当時日本は、戦後からの復興期で電気などのインフラ整備が急がれており、それに伴って電気に使用する変圧器、コンデンサ、さらに様々な工場で使用する熱媒体(防火用として使用)に必要なPCBの需要は、伸び続ける傾向にあったことは言うまでもありません。鐘淵化学は、このPCBをカネクロールという商品名で各社に売り込みます。この時、日本各地でPCBに伴った製品を製造する工場も爆発的に増え続けることになります。さらに1960年代からは、PCB入りのノーカーボン紙が売れに売れその工場も大変活気づくことになります。PCBは、まさに「夢の油」として日本の高度経済成長を後押ししていきます。

しかし、世界に目を向ければ、何やら異常事態が起こり始めていました。鳥や魚の死骸が大量に発生したり、鳥の卵が柔らかく親鳥が踏みつけて雛がまともに育たなかったり等々。

様々な学者が、この原因を分析し始め分かったことは、DDTによる環境被害です。全トピックでもレイチェル・カーソンを紹介させていただきましたが、彼女が当時の学者、マスコミなどの有識者の膨大なる資料をまとめあげ、DDTを含めた化学物質の環境汚染を世界に発信したのです。(彼女は、当時末期癌に侵されておりながらの活動でした)この時点では、DDTなどの農薬が規制されましたが、まだPCBの有害性に気づいている人も少なく、それを証明できるものはありませんでした。

そしていよいよ、1967年にアメリカでPCBの環境汚染が初めて証明されます。このことが全米で紹介されてPCB製造メーカーのモンサント社は、同年PCBの自主規制に踏み出します。日本に話を戻しますが、当時、我が国においては、環境汚染の認識を持っている方は少なく、全くと言っていいほど対策はなかったようです。その対策が遅れたばかりに、PCB汚染の証明された翌年1968年に食品公害「カネミ油症事件(油症事件)」が発生することになります。「油症事件」は、本ブログでも幾度か紹介させていただいておりますが、患者数は1万人を超える大事件に発展します。この事件をきっかけにようやく日本は、PCB汚染について本腰を入れることになります。油症の事例から分かるとおり、PCBは、主に食べることから発生しますので、食べていなければだいたい安心しても良いですが、(製造メーカーではPCBによる労働災害が認定されている)実は日本人はほとんどの人がPCBを食べているのです。

もし魚がPCBに汚染されていたら。

 

汚染調査には、魚を使用

西日本を中心に、日本各地でPCBに伴った製品を製造する工場が爆発的に増え続けたことは、前段でもお伝えしましたが、この工場からの海や河川の垂れ流しが、環境分析から証明されたのです。さらに1970年代には、母乳からPCBが検出されたのです。つまり日本人は、知らない間にPCBに汚染された魚を食べて、自ら汚染されてしまっていたのです。それが証拠にPCB関連製品のメーカー近くの海、河川の魚からは、高濃度のPCBが検出されており、関西の琵琶湖、宇治川から新潟の関川まで、PCBの汚染は日本を覆いつくしたのです。これに加え、日本では水俣病やイタイイタイ病、四日市ぜんそくなどの公害や赤潮さまざまな環境問題を引き起こしていきます。現代となっては、日本の食は安心で、環境にも優しいなどというイメージが強くありますが、当時の日本は、世界で一番の汚染された国だったのです。これからいよいよ日本は、環境対策にフェーズに移ってまいります。次回ブログに続く。

「レイチェルカーソン著の沈黙の春」にも書かれておりますが、化学物質は、その生物に加えることで、死滅する以外に耐久性を増したり、恐ろしいものに進化する時があるそうです。

以下は、PCBに汚染された魚について、ナショナルジオテックの興味深いニュースがあるので是非見ていただきたいと思います。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/3839/

参考文献:沈黙の春(レイチェルカーソン著):化学物質と人間(磯野直秀著):複合汚染(有吉佐和子著)

↑↑↑↑
新潟、長野、山形、福島、富山の
PCB処理はお任せください。

主な許可・資格

〇建設業許可(解体工事業)新潟県知事許可(般-1)第41442号

〇新潟県産業廃棄物収集運搬業 許可番号 01508055229号

〇新潟市産業廃棄物収集運搬業(積替え保管) 許可番号 05910055229号

〇新潟市産業廃棄物処分業 許可番号 05920055229号

〇新潟県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 01558055229号

〇古物営業許可取得 新潟県公安委員会許可 第461070001021号

〇山形県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 0659055229号

〇群馬県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 01050055229号

〇富山県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 01659055229号

〇福島県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 00757055229号

〇長野県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 2059055229号

〇解体工事施工技師1名

〇第三種電気主任技術者1名

RECRUIT

採用情報

ワークライフバランスを
重視する安定企業で、
将来にわたり活躍できる人材を
募集しています。

詳しくみる
CONTACT

お問い合わせ

PCB廃棄物処理、変圧器解体、鉄スクラップ·銅等の買い取りに関するご相談は、
お気軽にお問い合わせください。

電話

025-250-5601

FAX

025-250-5566