変圧器やコンデンサの解体や撤去は、実に面白い案件があります。
山の上でクレーンが入れない箇所での、ヘリコプターによる重量物撤去、アパート並みの大きさの変圧器の解体、等々
実に様々な案件と対峙してまいりました。
最近では、ビルの地下15メートル下に設置してある、1tの変圧器を2台撤去する案件があったのですが、エレベータも重量オーバーで使用不可、階段も狭すぎて使用不可などの制限の中で、床に開口部を作ってそこから門型クレーンによって、吊り上げる工法を編み出しました。
通常は、新設時、一体どのような工法で設置したのかを想像すると答えは見つかるものですが、今回はなかなか迷走してしまいました。
変圧器やコンデンサなどは、設置してから増改築や建物の構造に変更が生じているケースが多く、
例えば地下に変電設備のある工場は、開口部から変圧器などを下ろして新設工事を行ったはずですが、その開口部を閉鎖して休憩所を設置したり、ビルの屋上に変圧器をエレベーターで乗せて設置したにもかかわらず、エレベーターの維持管理費が賄うことができずそのエレベーターを解体してしまい、いざ変圧器を撤去しようと思った時には、どうすることもできなくなってしまったり。
これは、長年ビルや工場を運営していく上で、新設時の担当者が受変電設備の引継ぎを、後任者に行っていなかったことが原因だと考えられます。受変電設備の引継ぎも後任者を決定して確実に行っていくことで、結果的にコストも削減できますので是非取り組んでいただきたいと思います。
