硫酸ピッチをご存知でしょうか?
「軽油引取税」の脱税を目的としてA重油にクマリンを添加させ、さらに濃硫酸を入れ、その後クマリンを除去することで、不正軽油が出来上がります。この製造工程で発生するのが硫酸ピッチというものです。この物質は、法律で「廃硫酸と廃炭化水素油との混合物でPH2.0以下のもの」と規定されており、皮膚に触れるとただれ、目に入れば失明の恐れがあるほか、亜硫酸ガスが発生し、吸い込むと肺に障害が起こると言われております。
問題なのは、硫酸ピッチは、不正軽油の製造工程でしか発生せず、それを隠蔽するために不法投棄という事態に陥る可能性が高いということが言えるのです。
このように密造行為から発生する物質で、不法投棄に至るケースも多く、且つ人の健康に重大な被害を生じさせる性状のため、指定有害廃棄物として定められています。
近年、硫酸ピッチの不適正処理は、ピーク時(平成15年度)に比べ、件数、量ともに、大幅に減少しつつあり、平成22年度以降からは、環境省の報道発表資料が公表されていない点から、ほぼ処分が終了し、不法投棄案件が無くなったと解釈することができます。
未だに発見できていない不法投棄の硫酸ピッチによって、私たちの生活環境が脅かされる可能性は十分に考えられます。
1960年代~70年代において、PCBの汚染源が製造工場のみならず、使用工場から垂れ流しにされたことにより河川や湖、海などの海洋生物が汚染され、それによって人体からもPCBが検出されました。特に魚類を多量に摂取した漁民からの検出濃度は高く、中でも母乳汚染を日本のマスコミは、騒ぎ立てました。そのような問題が発生した時に、PCBの不法投棄などの不適正処理が、いたるところで発生していたことは、十分に考えられますが、その案件は、一切表に出てきませんでした。
しかし、ある研究調査によれば、製造工場や使用工場の全く存在していない河川からも大量のPCBが検出された事例もあり、不法投棄以外に理由は考えられない案件が発生しております。つまり、PCBの不法投棄は存在していたはずです。
硫酸ピッチも人里離れた山奥に、今現在投棄されっぱなしになっている可能性は、十分に考えられ、亜硫酸ガスを放出しているかもしれません。また、土壌から川へ、そして川から海へと汚染を拡大していけば、私たちの飲む水や食べるものにも影響をもたらすことになるのです。
不法投棄を防止するために、環境省は様々な規制強化を行い、確実にその案件は大幅に減少していますが、すでに起こってしまっていて隠れた不法投棄にも目を向ける必要があるかと思います。非常に難しいかもしれませんが、土地の所有者などに隠れた不法投棄案件がないかを確認してもらい、汚染源の広まりを防止することに取り組んでいくことも必要になると思います。なければ無いでそれに越したことはありませんが、前段のPCBの検出事例によって果たして本当に無いといえるのかが疑問に思うのです。
不法投棄案件が、ようやく無くなりつつある中で、未だに隠れた不法投棄があるとすれば、実に世の中は常にトレードオフの関係が存在しており、それは永遠に続くものなのかもしれませんね。
主な許可・資格
〇建設業許可(解体工事業)新潟県知事許可(般-1)第41442号
〇新潟県産業廃棄物収集運搬業 許可番号 01508055229号
〇新潟市産業廃棄物収集運搬業(積替え保管) 許可番号 05910055229号
〇新潟市産業廃棄物処分業 許可番号 05920055229号
〇新潟県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 01558055229号
〇古物営業許可取得 新潟県公安委員会許可 第461070001021号
〇山形県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 0659055229号
〇群馬県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 01050055229号
〇富山県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 01659055229号
〇福島県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 00757055229号
〇長野県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 2059055229号
〇解体工事施工技師1名
〇第三種電気主任技術者1名
